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目次24年4月号 ・巻頭言 「 彼岸の入り」 ・すずか路 ・小休止 ・柳論自論 ・川柳 人と句「 前川 榮さん」 ・例会 ・例会風景 ・没句転生 ・インターネット句会 ・特別室 ・アラレの小部屋 ・前号「すずか路」散歩 ・誌上互選 ・ポストイン ・みんなのエッセイ・その他 ・大会案内 ・編集後記
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柳歩 柳歩整理 柳歩 たかこ 柳歩 清水 信 久美子 寺前みつるさん たかこ |
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巻頭言 | |
彼岸の入り 毎年よ彼岸の入りに寒いのは 正岡子規
この俳句は、子規の「彼岸というのに寒いね」という語りかけに答えた「毎年よ、彼岸の入りに寒いのは」という母親のつぶやきをそのまま一句にしたものと言われている。この句は子規の母の作品であって、子規の作品ではない、と言う人は皆無である。 柳歩 |
すずか路より |
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川柳 人と句2「前川 榮さん」 たかこ |
大丈夫なるようになるきっちなる |
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特別室 |
歌人・臼井大翼 今春、橋本俊明が三銀ふるさと文化賞を得た。先ずは目出度い。かつて、中井正義や岡正基、間瀬昇、吉村英夫などが受賞した賞である。
橋本が主宰する歌誌『覇王樹三重』を毎号愛読しているが、近刊の109号は別冊として臼井大翼の関東大震災に際してのドキュメント『生残手記』を復刻している。もちろん3・11以降の文学の状況に対しての、氏らしい抵抗の寄与だろう。
昭和17年、弁護士を廃業、日本撚糸統制株式会社に入り、のち社長就任。 ・恥いくつ加ふるごとく歌よめり身につもりては恥を愛しも これは晩年の作。吉植庄亮が「大翼という男は、着るものの好みといい、書く文章といい、浅酌低唱の一ふしにも、すり流す墨の筆にそむ文字にも、一分の隙も決して見せない」と言うたと、橋本の解説から孫引きする。 大翼生前の唯一の歌集は『私燭』(大正14年)であり、没後『臼井大翼歌集』(昭和45年)が刊行された。関東大震災に即した歌は一首もないそうで、この散文「生残手記」が、その唯一の被災記録であり、その在り方にも、一種の美学を感じる。 同じ解説から、臼井大翼の歌作三つを引く。
・くれなゐを梢にみればこの春のいのち鮮かに色に結べり ▼鈴鹿市西玉垣町5‐4 橋本俊明 (文芸評論家) |
誌上互選より 高点句(一人5句投票) | ||||||||||||||||||||||||||||||
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