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前月入選句発表 お題「埃」応募2 7943人
 




































 

木村行吉 選(入選39
句)          
印は両方の選者から入選した句 
   
    積年の埃をぬぐい会いにゆく 澁谷さくら
    埃なら拭けば飛ぶのに錆びた脳 岡本恵
    ロケットの埃が立った種子島 闘 苦朗
    *引っ越しの荷物とともに来る埃 満月庵
    *客人が埃払ってくれた椅子 あやめみのり
    残りたい埃箪笥の裏目指す 戴 けいこ
    花粉より怖いPM2.5 前川奬
    さりげなく掃除のあとを義母が拭く うさぎ物語
    部屋のスミ埃でけつまずいた蜘蛛 福多郎
    一年の無精を詫びるお身拭い 奈良朱雀
    落ちたアメ埃はたいて口へポイ 片山かずお
    火の用心埃を掃うコンセント 武井わこう
   *押し入れで仲間を増やす綿埃 よしひさ
    気になっている冷蔵庫の下の埃 裕子
    ダイソンがこれ見よがしに回すゴミ こきん
    食器棚埃をかぶる引出物 徳重美恵子
    隠しものバレてしまった埃跡 アゲハ
    再出馬過去の埃を払ってる 平尾定昭
    掃除機に埃がかぶる独り者 あやめみのり
    座布団の埃叩いて消したうつ 市子
    箪笥から埃まみれのラブレター 汐海 岬
    行き先がわかる埃をつけた猫 あやちゃん
    叱られて障子のほこりじっと見る 宮尾 柳泉
    積ん読の本に埃の薄化粧 竹中正幸
    生活を食べては太る綿埃 冬子
   *飛び立てぬまま折り鶴の背の埃 平井美智子
    叩いてもほこりが出ない嫌な奴 船岡五郎
   *お宝をお宝らしくする埃 橋倉久美子
    そっとしておくほこりまみれのことば 坂本加代
   *じい様は埃払えば風邪をひく 平尾定昭
   *古い背広に肩書と言う埃 おさ虫
    ICUにあってはならぬ埃 満月庵
   *埃は気にしない天日干しの魚 春日綾乃
   *埃よけカバーの上にある埃 たごまる子
   *仏壇の埃くしゃみが聞こえそう 澁谷さくら
    叩かれて存在感を出す埃 古都
秀3*病室の造花についているホコリ 平井美智子
秀2  釈迦の掌に着地熟睡する埃 ホッと射て
秀1  自分史に少し埃が立つページ 八木五十八

評  埃の立つページの無い人なんてまずおられまい。みなそれぞれに、それぞれ
   の埃を持っている。それが生きてきた証であろう。実感句です。
 
軸  *大仏の螺髪にしがみつく埃               木村行吉

 








































 

橋倉久美子選(入選39句)
 

    春ですよ万年床の綿埃 佐藤ちなみ
   *引っ越しの荷物とともに来る埃 満月庵
    ご無沙汰を天の埃が語る辞書 武井わこう
    移り気の納戸に埃被る趣味 星野 睦悟朗
    歳月に埃被った引き出物 安井紀代子
    土蔵の酒器明治の埃被ってる   高田桂子
    眼に入るととても手強くなるホコリ 圦山 繁
    西日さしダイヤモンドになる埃 まさたろう
    積もった埃叩けば聞ける裏話 森清泰範
    政治家の埃をはたく週刊誌 白鳥 象堂
   *仏壇の埃くしゃみが聞こえそう 澁谷さくら
    旧交の埃まみれは酒で拭く 佐佐木雀区
   *埃は気にしない天日干しの魚 春日綾乃
    核ボタン埃被っている平和 宮尾 柳泉
    赤ちゃんが握るきれいな綿埃 由美
    おさな子と鬼ごっこする綿埃 平子久仁子
   *病室の造花についているホコリ 平井美智子
   *客人が埃払ってくれた椅子 あやめみのり
    店内も埃まみれの骨董屋 あけみちゃん
    骨董品埃も価値に含まれる さだえばあちゃん
    積ん読の本にたまっている埃 西山竹里
    掃除機が吸っては吐いている埃 大澤 葵
    高級な順に埃を被る皿 甲斐良一
   *押し入れで仲間を増やす綿埃 よしひさ
    タンス裏ひっそり育つ綿埃 茶飯士
    気付かれぬようにたまってゆく埃 西山竹里
   *古い背広に肩書と言う埃 おさ虫
    埃も込みで国宝の仏様 北田のりこ
    神棚に積もる埃も守り継ぐ 野平光太郎
    造花だと正体バラす葉の埃 圦山 繁
    掃除した明日にはもう出る埃 東洋はじめ
   *じい様は埃払えば風邪をひく 平尾定昭
   *飛び立てぬまま折り鶴の背の埃 平井美智子
   *大仏の螺髪にしがみつく埃 木村行吉
   *埃よけカバーの上にある埃 たごまる子
    空中の埃は吸い取れぬルンバ 青砥たかこ
秀3  通された部屋の埃は見ない振り 吉崎柳歩
秀2  病室の隅に溜まっている埃 青砥たかこ
秀1  プーチンの埃世界が吸わされる 古都

評    「埃」という微小なものから、大きな「世界」を引っ張り出した手腕に脱帽。「吸わされる」
   という迷惑そうな言い方もよい。食糧不足も物価高も、みんなプーチンが出した埃なのだ。
  *お宝をお宝らしくする埃           橋倉 久美子