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02年8月「カード」
02年7月「拾う」

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02年4月「痛い」
02年3月「春」
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01年12月「畑」
01年11月「包む」   
01年10月「指
01年9月「ヒント
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前月入選句発表 お題「 波 」応募 310句 157人





































 


石橋芳山 選(入選39
句)          
印は両方の選者から入選した句 
 
   *よこ波に不意をつかれたやじろべえ じんじん
    波立ったこころなだめてくれる酒 澁谷さくら
    語ろうよ電波の届かない場所で 加藤当白
    イヤリング外して次の波を待つ こやまひろこ
    寄せ返す波は輪廻の絵解き歌 ホッと射て
    砂文字をさらって行った日本海 久保卓子
   *吠えすぎた悔い大波が来る気配 かきくけ子
    α波求めて家庭内別居 たごまる子
    周波数合わせて昼のネギ刻む 徳重美恵子
    気の済むまでお泣きなさいと誘う波 石森あやみ
    さざ波の中でゆれてる女たち 平子久仁子
    わたくしも東大生と似た脳波 岩崎誠治
    荒波を立てて小物はやって来る 平尾定昭
    見た目よりずっと力を秘める波 木村行吉
    周波数合わぬ男と見る夜空 平井美智子
    ゆらゆらと浮かんでいればいいのです 上田ひとみ
   *周波数互いに探る初対面 甲斐良一
    生と死が波打つている繁華街 清水克俊
    留守電に波の音母の音 とっぴー
    電磁波に絡め取られている地球 糀谷和郎
    ウエーブの帰ってこないスタジアム 笹田しま
    実をつけた椰子に復縁迫る波 福村まこと
    はやぶさがサーフボードで帰還する こいし
    尖閣に寄せては返す赤い波 前川奬
    波乗りとスーダラ節は瓜二つ 松長一歩
    波の音 会えない人の声がする 岡本恵
    打ち寄せる波は地球の不整脈 糀谷和郎
   *あのころは小さな波と思ってた 橋倉久美子
    サーファーは美人の波にさっと乗る 木村行吉
    波風を立てているのは君の方 児玉浪枝
    正弦波学んだ先のそれっきり 岩崎誠治
    茶封筒開けば真昼のさざ波 久保卓子
    ノーマークしていた波が押し寄せる 玉木りょうこ
    ポケットの糸屑までに波が立つ 安井紀代子
    こっそりと猫背の波が押し寄せる 稲垣康江
    さざ波が目もと口もと押し寄せる 水谷裕子
秀3  話そうかあなたと波と風のこと 尾崎良仁
秀2  もういいかサザンのTSUNAMI歌っても まさじ
秀1  水面に波紋飛び出たビルゲイツ 斉尾くにこ

評      パソコンの普及は素晴らしく、世界中を繋いで今やこの方の世界に投げかけた
      波紋は計り知れません。

      混信は電波の皺のせいだろう                           海賊芳山 

       
 

 









































 

橋倉久美子 選(入選39句)

 

    後手後手で波に乗れない菅総理 竹島晃
    GOTOが煽るコロナの二波三波 よしひさ
    二波三波寒波みたいに言われても 佐藤彰宏
    第三波来ても無策の新総理 羽馬愚朗
    ディスタンスウェーブできぬスタジアム 竹中正幸
    テレワーク書斎へ居間へ飛ぶ電波 わこう
    人の波避けてリモート初詣 伶音
    デジタル化政府主導の大津波 坂本加代
    後悔はバブルの波に乗ったこと 光畑勝弘
    波よけに幾多の秘書を重ねおく 福村まこと
    防波堤津波に負けた過去を背負い 安井紀代子
    一撃の波でいまだに汚染水 柳谷益弘
    プラゴミを地球半周させる波 竹中正幸
   *周波数互いに探る初対面 甲斐良一
    押して引く波に翻意を迫られる 奈良朱雀
    波風を立ててはならぬ婿養子 まさじ
    波風が立たないうちに白い旗 柳谷益弘
    良い波は見てるだけではつかめない 城崎れい
    チャンス到来乗れそうな波が来る 柴田比呂志
      *吠えすぎた悔い大波が来る気配 かきくけ子
    どんとこい七十代の波に乗る 東川和子
    荒波をさざ波だなと言える歳 かきくけ子
    波風を嫌う余生の大あくび 山田明
    北斎の波だサーフィン身構える 福島亮也
    北斎の荒波富士を威嚇する おさ虫
    背を向けた途端に浴びた波しぶき 石森あやみ
   *よこ波に不意をつかれたやじろべえ じんじん
    さざ波をたてに小鬼が勝手口 モモコ
    大波も小波も知らぬ深海魚 吉崎柳歩
    波乗りのようには渡れない世間 吉崎柳歩
    さざ波の立つ辺りから湧く噂 奈良朱雀
    長老が帰った後のひと波乱 宮尾柳泉
    防波堤を越えていってはならぬ波 西山竹里
    北斎の眼には止まって見える波 戴 けいこ
    時をかけ岩の形を変える波 戴 けいこ
    サーファーが乗ると注目される波 西山竹里
秀3  プラゴミの波に悲鳴を上げる海 ころのすけ
秀2  日本海ドラマになると荒れ狂い 佐藤彰宏
秀1  荒波にもまれ美味しくなる魚 白鳥象堂

評      文字通り魚のことと受け取ってもいいが、人間に見立てることもできる。後者の場合でも、
      説教臭くなく軽やかに詠んであるのがいい。

  *あのころは小さな波と思ってた            橋倉久美子