目次31年3月号
巻頭言 「合同句集」
すずか路
・小休止
・川柳つれづれ
・人と句「岸なつきさん」
・例会
・例会・例会風景
・没句転生
・アラレの小部屋
・前号「すずか路」散歩
誌上互選
・インターネット句会
・あしあと・大会案内など
・合同句集
・編集後記

 


たかこ
柳歩整理
りゑ・近義
柳歩
たかこ

たかこ
柳歩
久美子
西山竹里さん
柳歩

たかこ








 
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24年11月(227号)  28年11月275号)
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巻頭言

「合同句集」

 新年号でお約束しました「300号」を記念して合同句集を今月号に組み入れました。
 前回の「200号記念号」の時は、会員ながら現在は休止中の、松本諭二さんに、原稿の打ちこみをお願いしました。諭二さんは、まだまだばりばりの現役でいられて、定年になるのを指折り数えて待っているところです。 

 今回は、打ち込みからすべてを久美子さんにお願いしました。久美子さんもまだ現役なのですが、無理を押してやっていただきました。そつなくこなしてもらって本当に助かりました。
 30周年の記念には、別冊で記念句集をささやかながら発行いたしましたが、はっきり言って、よそ様の記念合同句集をどれほどの方がしっかり読んで保管してくださることでしょう。30周年も300号も、通過点に過ぎません。
 そのような考えで、鈴鹿川柳会としましては、「バカボンのパパ」の言葉を借りてこれでいいのだ≠ニいたします。さて、合同句集のイントロ部分に久美子さんも書いておられますが、8年後の「400号」に、一人でも多くの方がお元気でいて下さるようお祈りしたいものです。

 私は、鈴鹿川柳会とともに歩んで、今年で26年目、たくさんの人たちとの出会いがあって、そして別れがありました。
 200号からの8年間で、亡くなられた、杉浦みや子さん、水谷一舟さん、加藤けいこさん、石谷ゆめこさん、竹内由起子さん。亡くなられても句は残ります。誌面の都合で今回は、掲載できませんでしたが、お元気だったころを思い出しています。

 IT時代の活字離れ、ペーパーレスは日に日に浸透する中、若い世代を呼び込むには多難な時代ですが、楽しみながらやっていればきっといいこともあるでしょう。
 暖冬ではありましたが、春の足音はやはり軽やか、すぐそこまで聞こえていますね。

                                        たかこ

 
すずか路より
珍風景黙して食べる恵方巻き 大川里子
落とし物片手袋にあるドラマ 岩谷佳菜子
病気です休む理由ができました 西垣こゆき
意地悪くスーパームーン隠す雲 松岡ふみお
真っ先に齢を言われて動けない 坂倉広美
断捨離のチャンスと思うお引っ越し 橋倉久美子
針の穴身をよじらせて通る糸 北田のりこ
八十路坂お化け屋敷も怖くない 河合恵美子
スーパームーン今夜は違うお月様 中川知子
足が向くチェーン店より個人店 落合文彦
なかったことにしない人生送りたい 毎熊伊佐男
佃煮の骨妻が抜きわたくしに 寺前みつる
改元に合わせ私も旅に出る 奥田悦生
残された時間はちびた鉛筆か 村井一朗
女同士おしゃべり会に時忘れ 鈴木裕子
冬の空ぼくの心と同じ色 長谷川健一
満中陰と重なり句会遠ざかる 竹口みか子
外は雪今日はコタツにへばりつく 瓜生晴男
神様の差は考えぬ初詣で 加藤吉一
記憶力だんだん劣化する不安 安田聡子
首の皮隠してくれるハイネック 芦田敬子
船頭を選び損ねて見る悪夢 圦山 繁
ランドセル六年生は似合わない 千野 力
嵐解散臨時ニュースで言うことか 西川幸子
ピンク色使い果たしたおばあちゃん 小川はつこ
納豆の次はサバ缶次は何 小出順子
玄関に五分進めてある時計 川喜多正道
いい人になれそう海を見ていれば 柴田比呂志
車座になると優しい顔ばかり 竹内そのみ
頂が見え隠れしてなお焦る 樋口りゑ
一長一短あっても住めば都です 眞島ともえ
おかげさま肺癌以外元気です 石崎金矢
難題が酔いを醒ませと攻めてくる 小林祥司
エアコンがあってストーブ・扇風機 高柳閑雲
勝ち組に転んで家族守り抜く 福村まこと
髭剃れば鼻毛が目立つ病みあがり 佐藤千四
何もかも覚えていたら疎まれる 西野恵子
体調の回復試す小旅行 瀬田明子
トランプに平和賞をというジョーク 西山竹里
蟷螂の卵も春を待っている 日野 愿
自撮りして今日の機嫌を確かめる 岡ア美代子
愛犬の飼い主だけに見せる顔 澁谷さくら
若者の後方支援しています 神野優子
深夜までひとりで笑うさだまさし 上村夢香
関節の都合を聞いてヨガポーズ 前田須美代
入院が一気に奪う歩行力 佐藤近義
混浴に惹かれて雪の露天風呂 坂 茜雲
知らぬ間にどこか触っているスマホ 吉崎柳歩
いつからか雲の行方を見なくなる 青砥たかこ
 

整理・柳歩

2月23日(土)例会より

宿題「滲む」 青砥たかこ 選と評
   ジーンズの洗濯槽に落ちたシャツ 西垣こゆき
   にじませた絵の具優しい嘘をつく 澁谷さくら
 止  滲ませたところが達筆の証 吉崎柳歩
 軸  人柄が滲み出ている箸遣い 青砥たかこ
宿題 共選「喧嘩」 芦田敬子 選
   盆栽の根っこ喧嘩はしていない 小出順子
   異国人喧嘩のようにしゃべってる 石崎金矢
 止  喧嘩にはならないように間引きする 橋倉久美子
 軸  N極どうし喧嘩しているように見え 芦田敬子
宿題 共選「喧嘩」 川喜多正道 選
   喧嘩しているのではない競りの声 西山竹里
   喧嘩四つ制し得意の上手投げ 毎熊伊佐男
 止  デッドボール次は喧嘩と睨む打者 加藤吉一
 軸  夫婦喧嘩勝ったつもりの内が華 川喜多正道
宿題「自由吟」 吉崎柳歩 選と評
   死んだ気になればいらない命綱 柴田比呂志
   中古住宅ハッサクの木もつけて買う 橋倉久美子
 止  リアルな死孫に教えて逝くつもり 瀬田明子
   ひな壇の雛人形はみな美顔 吉崎柳歩
席題「休み・休む」 清記互選 高点句
 7点  三分でひと休みする砂時計 川喜多正道
   学級閉鎖で喜んでいる元気な子 小川はつこ
 6点  休日が増える日本のカレンダー 芦田敬子
 5点  手を休めぬように流れてくる仕事 加藤吉一
   ひょいと出たテレビでばれたずる休み 鈴木裕子
 4点  休火山死んだ訳ではありません 北田のりこ
   インフルエンザにかかって堂々と休む 橋倉久美子
   代返はお互いさまのずる休み 加藤吉一
誌上互選より 高点句(一人5句投票)
前号開票 『レンタル』  応募106句
  12点  相撲部の助っ人に行く柔道部 西山竹里
  1 1点   レンタルの言葉が躍る選挙戦 濱山哲也
     よく動くご主人お借りしたくなる 青砥たかこ
  10点   レンタルが訃報で終わる介護器具 加藤吉一
     レンタルに住むヤドカリもわたくしも 岩田眞知子
  9点    レンタルの晴れ着雨など気にしない 西川幸子
     担ぎ手をリースしてくる村興し よしひさ
    貸し借りの時代もあった味噌しょうゆ 澁谷さくら