目次30年9月号
巻頭言  「鈴鹿市文芸賞」
すずか路
・小休止
・柳論自論
・人と句「毎熊伊佐男さん」
・例会
・例会風景
・没句転生
・アラレの小部屋
・前号「すずか路」散歩
誌上互選
・インターネット句会
・ポストイン
・エッセイ・あしあと
・大会案内など
・編集後記

 


たかこ
柳歩整理
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巻頭言

「鈴鹿市文芸賞」 

 〜つなげよう鈴鹿の文学のこころを!〜

  第27回を迎えた鈴鹿市文芸賞のキャッチフレーズである。実はこのキャッチフレーズ、毎年選考委員の誰かが考えている。今年は短歌の担当だった。
 この鈴鹿市文芸賞に先駆けて、平成に入ってすぐ開催された「市民文芸講座」ここの受講生になり、第二回の文芸賞から「児童文学」部門に応募をし出した私。それから、二年後川柳会に入って、川柳部門にも応募を始めた。
 その後、鈴鹿川柳会会長に就任、文芸賞の選考委員の仕事を仰せつかり現在に至る。

 応募要項は今月号P27に記載している。私自身、共に歩んできたこの文芸賞、たくさんの方に応募していただきたいといつも願っている。
 手元に、第一回からの最優秀賞者の一覧がある。参考になるかならないか不明だが川柳部門だけ記載させていただく(敬称略)

第一回(平成四年以降回数のみ)小河柳女 二回・中村ぎんよ 三回・大嶋都嗣子 四回・宮村典子
 五回・伊藤千世 六回・鈴木裕子 七回・青砥孝子 八回・河野嘉子 九回・加藤昌良 十回・吉崎 勝
十一回・竹内由起子 十二回・井垣和子 十三回・橋倉久美子 十四回・坂倉広美 十五回・堤 伴久
十六回・小嶋征次 十七回・寺前みつる 十八回・北田のりこ 十九回・橋倉久美子 二十回・北田のりこ
二十一回・丹川 修 二十二回・柴田比呂志 二十三回・西垣こゆき 二十四回・圦山 繁 二十五回・樋口りゑ 二十六回 小川はつこ

 となっている。最優秀賞者は一年置いて再チャレンジが出来る。また、遠方の方も誌友であれば(川柳すずかと原稿に記入のこと)応募していただける。あきらめないで出していただきたい。
 応募用紙希望の方は、連絡いただきたい。柳誌に同封させていただく。

                                         たかこ

 
すずか路より
野菜より草に味方をする猛暑 加藤吉一
お盆には近場の宿で賑やかに 安田聡子
今日の予定昼寝時間も入れておく 芦田敬子
階段の下りに老いを知らされる 圦山 繁
タイムカプセル埋めた所がわからない 千野 力
口角を上げねばならぬフラダンス 西川幸子
病室の窓から母が見るこの世 小川はつこ
育児書に流れるさわやかな言葉 小出順子
盗品の宝庫大英美術館 川喜多正道
たましいがポキンと折れる炎天下 柴田比呂志
介護保険私ポックリ逝くつもり 竹内そのみ
ジャケットの裏地に忍ばせる色気 樋口りゑ
応援も球児もひとつ甲子園 眞島ともえ
土産より大切に持つパスポート 福村まこと
還暦を米寿が叱る盆帰省 佐藤千四
心にもないお世辞でも潤滑油 西野恵子
買物は嫁に任せて盆の客 寺田香林
旅に出る我が家の良さを知るために 瀬田明子
腰低い天皇頭が高い総理 西山竹里
8・15一汁一菜の夕餉 日野 愿
一匹の蟻を見つけて大掃除 岡ア美代子
エアコンに過重労働させた夏 澁谷さくら
水分と塩分摂って散歩する 竹原さだむ
お施餓鬼の後に立ち寄るお茶屋さん 神野優子
ベテランの声に背筋を伸ばされる 上村夢香
酔っぱらいが眠る泣きながら眠る 前田須美代
猪の棲み家をふやす放棄田 佐藤近義
血圧計医者の前では高く出る 坂 茜雲
永らえて行く末思う貯金額 大川里子
声が良いカラオケ好きのお坊さん 岩谷佳菜子
防災の日には缶詰買いに行く 西垣こゆき
垂れた穂に先ずは味見の群れ雀 松岡ふみお
クーラーの排気で枯れた先祖の樹 坂倉広美
老犬が時々死んだ振りをする 勝田五百子
敵前逃亡してはならない検査室 橋倉久美子
退屈で冷蔵庫など開けてみる 北田のりこ
精一杯 現状維持を許されよ 河合恵美子
猛暑日は二階の部屋がサウナ室 中川知子
弁当の休みが終わる始業式 落合文彦
野放図に夢を持ってはなりません 毎熊伊佐男
宇治山田駅が留めている昭和 奥田悦生
墓守は世代を超えて青蛙 村井一朗
骨折の部屋に陽気な見舞客 鈴木裕子
一日中風呂に浸かっているメダカ 長谷川健一
介護疲れショートステイに支えられ 竹口みか子
猛暑日は避暑に出掛ける喫茶店 瓜生晴男
スマホなら辞書になくても載っている 吉崎柳歩
夢に出た亡父幸せそうやった 青砥たかこ
 

整理・柳歩

8月25日(土)例会より
宿題「 糸 」 青砥たかこ 選と評
   長話には向いてない糸電話 吉崎柳歩
   年金で凧糸ほどの張りはある 福村まこと
 止  納豆の糸で夏バテ絡めとる 瀬田明子
 軸  一本の糸はケーキも切り分ける 青砥たかこ
宿題 共選「脅かす」 北田のりこ 選
   安倍さんを脅かせない対抗馬 吉崎柳歩
   脳細胞壊れる音に脅えてる 瀬田明子
 止  九条の意義脅かす無関心 瀬田明子
 軸  ライバルへの脅威で出せた新記録 北田のりこ
宿題 共選「 脅かす」 毎熊伊佐男 選
   ストローが鯨の命脅かす 西垣こゆき
   町中を脅かしてる脱走者 芦田敬子
 止  ニッポンをおびえさせてる外来種 橋倉久美子
 軸  「百年に一度」がまたも脅かす 毎熊伊佐男
宿題「自由吟」 橋倉久美子 選と評
   居酒屋に飲まない人の駐車場 芦田敬子
   できそうでなかなかできぬ途中下車 吉崎柳歩
 止  ガラスより枠が面倒窓掃除 北田のりこ
 軸  台風に張り回されるスケジュール 橋倉久美子
席題「せっかち」 清記互選 高点句
 5点  せっかちに睨みを利かす信号機 橋倉久美子
   乾杯も待てずビールを飲んでいる 吉崎柳歩
 4点  メールして返事が待てず電話する 千野 力
   生焼けと思いながらも食べる肉 橋倉久美子
   自販機はせっかち者に合うリズム 芦田敬子
誌上互選より 高点句(一人5句投票)
前号開票 『 学者 』  応募102句
 13点  昆虫に触れる子供の目は学者 圦山 繁
   大根の値段に疎い農学者 芦田敬子
 1 1点   ちゃんとした学者なのですさかなクン 橋倉久美子
  9点      政権に媚びぬ学者にある矜持 吉崎柳歩
  8点  定年になってもゴールはない学者 関本かつ子
    奧様に軽く見られている学者 吉崎柳歩
    大学院出ても仕事のない学者 瀬田明子
    文化の日地味な学者の名が光り 関本かつ子
    地震予知ナマズに負けられぬ学者 西山竹里
    科学者の目は少年の時のまま 柴田比呂志