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目次25年4月号 ・巻頭言 「没句は誰のものか」 ・すずか路 ・小休止 ・柳論自論 ・川柳・人と句「 堤 伴久さん」 ・例会 ・例会風景 ・没句転生 ・インターネット句会 ・特別室 ・アラレの小部屋 ・前号「すずか路」散歩 ・誌上互選 ・ポストイン ・あしあと・その他 ・大会案内 ・編集後記
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柳歩 柳歩整理 柳歩 たかこ 柳歩 清水 信さん 久美子 寺前みつるさん たかこ |
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巻頭言 | |
没句は誰のものか 私はこれまで十回の鈴鹿市民川柳大会と、六回の三川連川柳大会、みえ文化芸術祭川柳大会の事務方を務めてきた。事務方の仕事には事前投句や当日投句の入選句の整理はもちろん、没句の事後処理も含まれることになる。
事務方の特権として没句の山をチェックしたことがある。入選句に佳い句が少なく、首を傾げたくなる句を多く採っている選者の没句の束を一句ずつチェックしてみると、佳い句がたくさんあった。川柳観の違いで、あっさり没にされるものだと痛感した。 柳歩 |
すずか路より |
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川柳 人と句14 「堤 伴久さん」 たかこ |
括弧して読み手のお情けにすがる 人間を見た日ごくごく水を飲む 何もせぬ一日があり疲れ切る どうにでもなれと思った日は元気
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特別室 |
恐怖について 清水 信 川柳人口は、ずっと前から女性優位だが、俳句の方もその傾向が強くなっている。私が戴く句誌の中でも、花谷和子の指導する『藍』(豊中市)や加藤耕子の指導する『耕』(名古屋市)や、三宅千代の指導する『楡』(名古屋市)は、ほとんど女性が占有している団体に思われる。 三重県伊賀上野市出身の倉阪鬼一郎が『怖い俳句』(幻冬舎新書刊)を出して、共感する所が多かった。恐怖を感じさせる句を第一とする考え方の中には、俳句の実態を信ずる経歴が活かされていよう。恐怖も勿論、感嘆詞に極めて近い存在だ。
花谷和子 これらはかなり怖い作であろう。
宮田祥子
福島英美 これらも一寸はこわい。『川柳緑』では、近刊は604号だが、大野裕の「画惚眸美術展回遊記」が一番面白く、また怖い。今回は38歳で死んだ古賀春江という画家のことを語っていて、鬼気迫るものがある。 「計算器が手を挙げて合図をする/気体の中に溶ける魚/世界精神の系自を縫う新しい神話がはじまる」 と死の直前、「窓外の化粧」に書き遺すが、やはり怖い。 『翼座』6号(安城市)は、長澤奏子の追悼特集号である。
天野素子
大久保祥子
大橋和子 これらも何となく怖い。長澤の句の中でも、次のような作がある。
・寒菊は肝臓の色冥すぎる これらは、やはり怖い。 倉阪の掲げている句は、例えば次のようなものである。お化けか。
泉鏡花 (文芸評論家) |
誌上互選より 高点句(一人5句投票) | |||||||||||||||||||||||||||
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