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目次25年10月号 ・巻頭言 「 オリンピック 」 ・すずか路 ・小休止 ・柳論自論 ・没句転生 ・川柳・人と句「 飯田重樹さん」 ・例会 ・例会風景 ・特別室 ・アラレの小部屋 ・前号「すずか路」散歩 ・誌上互選 ・ポストイン ・あしあと・その他 ・大会案内 ・編集後記 ・インターネット句会 |
柳歩 柳歩整理 柳歩 柳歩 たかこ 清水 信さん 久美子 寺前みつるさん たかこ (表紙裏) |
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巻頭言 | |
「オリンピック」
2020年のオリンピックが東京で開催されることになった。アベノミクス第四の矢としても、首相はじめ都知事、産業界、メディアも歓迎ムード一色である。この機会にカジノも作ってしまおう、なんて動きもあって、ほんとうに驚かされる。 |
すずか路より |
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川柳 人と句20「飯田重樹さん」 たかこ |
梅雨空にときめく傘を持っている 誕生に学資保険で組むプラン 災害に丸いポストが元気づけ 母妻の中に入ってピエロ役 |
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特別室 |
神社仏閣 清水 信
前回に伊勢参宮のことを書いたが、少くとも近畿、東海、北陸に名だたる神社仏閣のほとんどを訪れている。旅先で、然るべき大寺や神社を見ると、思わず足を停めてしまう。 自分の精神の奥には、深いアナーキズムが巣食っているのだろう。神を選ばず、仏を選ばず、阿呆の善男善女の群にまじって、何か祈っているらしい。何も期待しないで、神社仏閣に行くことが、哀しいではないか。
僕は信州長野で生まれた。 つまり、僕は乳飲み子の頃から、毎日、善光寺の境内で日を過ごしていたのであり、今も網膜の裏に、玉砂利の白い庭と、群れ飛ぶ鳩の姿がある。その成長の原点が、社寺への親密感をもたらしているのかも知れない。 志賀直哉は、大正14年4月から昭和13年3月まで、奈良に住んだ。年齢にして42歳から56歳までの13年間であった。娘が奈良の学校に行っていた間に、自分は3回、志賀直哉旧居を訪れている。好感の持てる住居で、サン・ルームが特に気に入っていた。 奈良はもちろん、多くの社寺に恵まれた古都である。散歩好きな志賀は、春日神社、春日若宮、手向山八幡の他、二月堂、三月堂、東大寺、白毫寺、唐招提寺、正倉院、博物館などを歩き、足をのばして西大寺、霊山寺、室生寺、当麻寺、石光寺、六地蔵、壺坂山などを観て回っている。 美しい仏像については、何度も語っているし、寺社のたたずまいの良さも語っているが、信仰については断乎として拒否しており、野道に佇む石仏などは、醜い顔しやがってと、下駄で蹴飛ばして歩いている。 僧籍にある少数の人や、神職を守った作家、熱心なカトリック作家など、知っている人も多くて、信頼もしているが、我ながら信心の薄さには驚くばかりである。 (文芸評論家) |
誌上互選より 高点句(一人5句投票) | ||||||||||||||||||||||||||||||
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