目次27年7月号
巻頭言 「 国民文化祭」
すずか路
・小休止
・柳論自論「ノートパソコン復活の記」
・大会
・大会風景・参加者のお便り
・インターネット句会
特別室
・アラレの小部屋
・前号「すずか路」散歩
誌上互選
・エッセイ・あしあと
・大会案内
・暑中広告
・編集後記

たかこ
柳歩整理

柳歩



清水 信さん
久美子
鈴木順子さん





 
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巻頭言

「国民文化祭」

 第十三回大会も盛会のうちに終えることができました。ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました。また貴重な紙面に案内を掲載下さった各柳社様感謝です。第一回の大会の時、多くの皆さんに言われた言葉は「鈴鹿には天の神も味方につけている」でした。今回もまさにその通りでした。

 さて、今年の講演は、来年の国民文化祭の開催地「愛知県」の愛川協会長の松代天鬼様にお願いをしました。講演を依頼したときは決定した直後だったようです。

 今年の開催地は鹿児島県、約四か月後の十一月一日が開催日です。ひょんなことから鹿児島県は、薩摩川内市国民文化祭実行委員会川柳部会部会長の石神紅雀さんと知り合いになりました。日川協の千葉大会も参加され果敢にPRされていかれました。その紅雀さん(ブログでは太陽の陽子さん)が、「愛知は決まるのが遅かったからプレ大会も全国的にできず少々お気の毒だったですね」と言われてました。

 天鬼さんはお話の中で、急に決まった愛知の文化祭は、連句と川柳だけが参加で、短歌、俳句は見送りとなったとありました。川柳は、垣根の低い文芸として何かあると団結がしやすいことが証明されたのです。

 県を挙げての事業ということで○億円という気の遠くなるお金が動くことも…。でも愛知はそれをかなり抑えるそうです。

 天鬼さんのお話はよどみなく、国民文化祭に限らず今後の川柳大会のあり方にも進みました。鈴鹿川柳会のネット句会にも触れ、これからはやはりネットの時代とおっしゃいました。ラジオやテレビのメディアを通じて、川柳がかなり普及している昨今をただのブームにしたくないとだれもが思っています。その一環の「国民文化祭」鹿児島、愛知、そして奈良へと引き継がれていきます。愛知も奈良もお隣りの県、鹿児島もちょっと遠いけれど、出来る限り参加協力をしたいものです。

                                        たかこ            

 

すずか路より
あの角で妻は必ず待っている 長谷川健一
不自由は無いが独りの侘び住まい 水野  二
妹は姉のピンチを感じ取る 竹口みか子
夕焼けの嫌味に耐えた俄か雨 瓜生晴男
病室の飴の袋に要る鋏 加藤吉一
頑固さも歳のせいだとあきらめる 安田聡子
記者会見マスコミだけに謝罪する 芦田敬子
梅雨入りをしたら降らねばならぬ雨 圦山 繁
顔よりも人間性を磨かねば 鍋島香雪
家族みな緊張顔の新レシピ 小出順子
ポツダム宣言読まぬ総理の平和論 鈴木章照
鉛筆がちびて凄みを増してくる 高柳閑雲
祖父の愚をくり返そうとする安保 川喜多正道
ブランドを着てもふぐりが見える犬 石崎金矢
二度寝する青空に逢えますように 柴田比呂志
苦手だと言うスピーチがまだ続く 竹内そのみ
採れたてを毎日もらい忙しい 加藤峰子
担がれた御輿もかなり疲れ気味 西野恵子
ギブアップしたら呼吸が楽になる 青砥英規
エコカーテン植えてはみたが水がいる 外浦恵真子
三十度涼しい顔で一重着る 寺田香林
貸したことだけが記憶に残る脳 西山竹里
目の前に蛇がいるのは気のせいだ 尾アなお
妻の留守一人で作る親子丼 岡ア美代子
ちちははの役目は果たす所存です 神野優子
ほんわかと世界遺産の都市を訪う 前田須美代
恋しても孤老の恋は通り雨 栗田竜鳳
プラトニックラブ心に風が吹きぬける 水谷一舟
護摩焚きの家族の名前違ってる 石谷ゆめこ
厄除けに昔の人の知恵借りる 岩谷佳菜子
耳に皺ピアスの穴も塞がった 西垣こゆき
草取りの褒美に食べるゆすらうめ 松岡ふみお
半夏生かすかに母の笑みがある 坂倉広美
眠気覚ましに音読もさせている 橋倉久美子
動けば暑いじっとしてると寒い梅雨 北田のりこ
騒然とならぬと幕を引けぬらし 毎熊伊佐男
ご近所にきっと聞こえた笑い声 鈴木裕子
わたくしの流儀で越えていく荒野 吉崎柳歩
メールへの返事はアイス食べてから 青砥たかこ
 

整理・柳歩

柳論自論 「ノートパソコン復活の記」                                                                            吉崎柳歩


 最近は誌上大会が増えてきたが、やはり大会というものは一堂に会して行ってこそ大会と呼べるのであろう。
 故・斉藤大雄氏は、「川柳大会は、主催する団体、結社などの祭りでなければならない」とし、懇親会も持つべきだと主張されている。まったく同感だが、肝心なのはやはり本会(句会)に多くの仲間が集まることだろう。人数が多ければいいというものではないが、祭りというからには、例会に毛の生えた様な規模では盛り上がりに欠ける。大会の成否は佳い句を逃がさない選者の力量によるところも大きいが、リズミカルな披講、すなわち一回目の披講〜作者の呼名〜二回目の披講〜呼名係の呼名、のテンポの良し悪しも大きなウエイトを占めるだろう。披講は大会の華である。脇取りの不首尾でテンポが乱れては元も子もない。

 鈴鹿市民川柳大会では、第一回から十回まで、ノートパソコンを使っていた。ノートパソコンと言ってもPC98シリーズという時代物であった。
 MSDOSという古い言語を用い、私自身が構築したプログラムで、披講時の呼名に対応できると同時に入選句数の各人別集計が出来るようにしたものである。多少のトラブルはあったが、呼名係を務めた久美子さんの機転もあって、概ね上手く機能していた。

 合点制を止めることにした第十一回からは、そのノートパソコンもお払い箱にした。
 マイクロソフトの表計算ソフトである「エクセル」は、十年くらい前から仕事で止むなく齧っていたが、多用するようになったのは、鈴鹿川柳会のHPでのネット句会の応募者が、数年前からぐんと増えてきたからだった。胴元として、受付と二人の選者との応募句、入選句のやりとり、HP上での発表、柳誌の編集などに欠かせなくなってきたのである。

 ある日古書店で、『エクセルの裏技・便利技』という本を見つけ購入した。その中で、VLOOKUPという関数に注目した。表計算の中で、社員番号を入力して、その社員の名前を表示させる場合などに使う関数だが、これは披講の際の呼名係の呼名に使える。つまり以前のMSDOSのプログラムに対応する作業がエクセルでも出来ることを発見したのである。さっそく最新のノートパソコンを購入して研究した。
 新しいノートパソコンではエクセルのバージョンも上がっていた。更に細やかな作業が出来ることを『日経トレンディ』の特別付録で知った。

 鈴鹿の大会では事前投句制を採用している。以前は、これまで一度でも大会に出席された方のデータはすべて登録してあるので、その方の作品以外のデータはプログラムで検索して持ってくればいいので楽だったが、それはエクセルでは使えないので、今年は一人一人新たに入力した。このデータを元に当日の受付名簿を作成し、パソコン内の「受付・入選句」シートに転記し、事前に関数設定を施してある選者別の各表に、入選句の受付番号を入力すれば、魔法のように、入選者の「ヨミ」と「氏名」が一括して表記される、という仕掛けである。

 「入選句シート」への記入も省略できたので転記ミスも発生しなかった。呼名ミスは一件もなかったと思う。私は人知れず祝杯を挙げたのである。
 

6月28日(日)大会より
事前投句「届く・届ける」 橋倉久美子 選
 初 祝電が届いて会が活気づく 青砥たかこ
 秀 一円を届け巡査を困らせる 永井河太郎
 秀 手の届く位置にビールもペンもある 梶 泰栄
 軸 幸せが一升瓶入りで届く 橋倉久美子
席題「備える」 瀬霜石 選
 初 サミットへ赤福餅の意気揚がる 南 芳枝
 秀 小さいが僕も持ってる隠し玉 堀 敏雄
 秀 かわいがってもらえるように準備中 三村 舞
 軸 グンニャリグニャグニャわたしの処世術 瀬霜石
宿題「丼」(共選) 小川加代 選
 初 壁ドンはどんな丼かと思う 竹口みか子
 秀 カツ丼を食べても勝負は運次第 寺前みつる
 秀 どんぶりで呑むと天下をとれる酒 吉崎柳歩
 軸 丼がきて何となく比べあう 小川加代
宿題「丼」(共選) 柴田比呂志 選
 初 丼で濁酒を飲む宵祭り 松代天鬼
 秀 丼で飲もう議論は果てしない 岩田明子
 秀 丼飯が育てる横綱のたまご 足立千恵子
 軸 どんぶりを割りたい曇天の虚ろ 柴田比呂志
宿題「うるさい」(共選) 阪本きりり 選
 初 六月の蠅は五月蠅くないですか 堀 敏雄
 秀 山ひとつひっくり返し泣いている 石橋芳山
 秀 二人三脚うるさい人と組んでいる 西澤知子
 軸 老人の口をふさいでさて未来 阪本きりり
宿題「うるさい」(共選) 橋本征一路 選
 初 お袋の躾が今日も顔を出す 坂井 兵
 秀 かしましい妻だが寝込まれては困る 菱木 誠
 秀 ニッポンの朝よテレフォン・ショッピング 瀬霜石
 軸 殺人事件に発展しかねない鼾 橋本征一路
宿題「自由吟A」 三村 舞 選
 初 全身にぞくぞく夏がやってくる 岡本まみ子
 秀 満月がこんなにもある千枚田 梶 泰栄
 秀 トーキョーは寒い北国より寒い 瀬霜石
 軸 ギリシャから聖火は来ないかも知れぬ 三村 舞
宿題「自由吟B」 吉崎柳歩 選
 初 散歩するには早すぎる午前二時 新家完司
 秀 新聞紙になればどの頁も同じ 橋本征一路
 秀 軽トラがないと生きてはゆけぬ村 瀬霜石
 軸 専守防衛に徹している案山子 吉崎柳歩
特別室

 児童文学                                        清水 信

 自分は新聞にローカルな文学状況についての月評を書いているが、児童文学や川柳の分野が外されていることに、強い不満を抱いている。(1)小説、(2)評論、(3)詩、(4)短歌、(5)俳句、(6)川柳、(7)戯曲、(8)児童文学という八分野に分けて(週2回月8回)の掲載で行くべきだろうと思っている。といって、月に資料は3050くらい到着するので、自分の「小説・評論」部門では仲々扱えない。申しわけないが、多くの同人雑誌と共にスルーせざるを得ない。

 例えば、みえ文化芸術祭の児童文学部門大会で発表された『児童文学を学ぶ』という資料など、1013日の実行録に過ぎないけれども、「伊勢童話をつくる会」(10名)「亀山絵本と童話の会」(15名)「あの津っ子の会」(14名)「三重児童文学の会」(15名)の、熱心な会員を鳩合して元気そのものだ。冊子には、

 桜井可美「青い火」
 森多裕子「みんなかわっていける」
 あきのしんこ「稲祀りのはじまり」
 ひまが京子「はじめてのえんそく」

 が収められていて、夫々10ページを超す力作と思える。

 亀山の同人雑誌『方圓』も、児童文学への関心は高く、桜井可美、岡本笑子、脇谷実千子ら常連が、近刊の32号でも健筆をふるっている。
 玉置千代は単行本として『コスモスの花さけば』(3月25日、ワキヤン出版)を出し、県の文化功労賞を得た脇谷実千子が装幀・挿絵を担当し、これが非常に良い。
 また近刊の『あの津っ子』53号には、岡田ひろよ、森年枝、内方郁江、前野妙子、鈴木紀子、垣内美種が参加し、更に日間賀京子が連載やエッセイで奮闘している。多くの人に読まれてほしいものだが、県下の文芸人の関心は、そんなに強くはないだろう。

 脇谷の住所は、四日市市三重八‐一〇六と判るが、個人情報保護法のおかげで、他の人は、よく判らない。日間賀京子は津市庄田町一三九六‐二九と『あの津っ子』の発行所として判るが、読みたい人がいても、連絡の仕様がない。

『夾竹桃物語・わすれていてごめんね』という大判の冊子も戴いたが、公募した絵画・書道・読書感想文の収録である。二〇〇一年から始まった公募で、児童文学の側面もあるものの、入賞者を広島に招待して、被爆体験を風化させないという目的があって、感心はするが、四日市市堀木一‐三‐二五福田昇二が連絡先か、主催者なのか、よく判らない。

                                                                            (文芸評論家)

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