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目次27年5月号 ・巻頭言 「 記念日」 ・すずか路 ・小休止 ・大会案内(みえ文化祭川柳大会) ・柳論自論「17音と川柳」 ・没句転生 ・川柳・人と句「 瀬霜石さん」 ・例会 ・例会風景 ・特別室 ・アラレの小部屋 ・前号「すずか路」散歩 ・誌上互選 ・インターネット句会 ・ポストイン ・エッセイ・あしあと ・大会案内 ・編集後記 |
たかこ 柳歩整理 柳歩 柳歩 たかこ 清水 信さん 久美子 新家完司さん たかこ |
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巻頭言 | |
「記念日」 人間は記念日が好きである。毎日が誰かの何かの記念日。誕生日はそれの最たるもので生きている限り年に一度訪れる。亡くなってからも、命日、生誕○年と本人のあずかり知らぬところで繰り返される。 誕生日の次に身近なものに、結婚記念日がある。銀婚式、金婚式は誰でも知っているが、一年目は「紙」五年目が「木」三十年目は「真珠」ともっともらしい名前がついている。金婚式の次はダイヤモンドで六十年、最高の「プラチナ」婚は七十五年とか。ちなみにギネス世界記録では、インドの夫婦の持つ八十六年が認定されている。
暦の上でも毎日記念日がある。五月の珍しいものを挙げてみよう12日
- ナイチンゲールデー、看護の日、16日
- 旅の日、23日
- 世界亀の日、キスの日、ラブレターの日、27日
- 海軍記念日、百人一首の日、小松菜の日、29日
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呉服の日、こんにゃくの日などなど、ごろ合わせ的なものも多いが、深い意味を持つものもあるようだ。
川柳では、来る平成二十七年八月二十二日に「柳多留250年」を記念して式典が開かれる。記憶に新しいところでは「番傘100周年記念川柳大会」も開催された。
さて、鈴鹿川柳会は、来年「三十周年」を迎える。「記念日」は竹の節、より太く大きく育つためにも、きっちりと「節」を刻みたい。 |
すずか路より |
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川柳 人と句39「瀬霜石さん」 たかこ |
採血をするたびちょっと覚悟する
髪の毛が減ったが枯れ木ではないぞ
ピンとキリ ビニール傘にだってある |
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特別室 |
「指の骨」事件 清水 信 二〇一五年度前半の芥川賞授賞は小野正嗣の「九年前の祈り」に決った。が、受賞を争った高橋弘希「指の骨」に対する中日の評価が、物議を呼んでいて、これも右傾化現象の一つで、要注意だと思うので、書いておく。 作者は一九七九年生まれ、30代のミュージシャンだそうで、もちろん戦争体験はない。先人の文献を詳しく調査して書いたものであり『新潮』11月号に発表された。悪くはない小説だが、その扱いをめぐって一部の動きがひどかった。
とりわけ清水良典と三沢典丈が中日1月13日号「特報」欄で、一面を使っての声援は異常だった。清水、三沢と言えば「文学隆盛論」をめぐる論敵であった。『北斗』の竹中忍がいみじくも言うように「こんにゃく問答」みたいな論争ではあったが、いやしくも論敵である。それが、組関係の手打式のようにグルになって、「指の骨」の受賞を画策するような試みは、呆れ果てた。
一般論として、芥川賞は胴元の集客装置に過ぎないとして、今までの落選者名簿を挙げて同情を示しながらも「指の骨」を本命として推挙しているのである。そして、選考委員が理解できる作品しか、候補にしてない胴元の傾向にいちゃもんをつけながら、「指の骨」は「五候補の中では、文章力や構成がずばぬけている」と絶賛している。 昨年八月から、特定秘密保護法施行に伴って、朝日、毎日、中日という抵抗感のあった新聞も、急速に右傾化していくので、戦争体験者としては悲観を強めている。1月31日、同年のワインゼッカー大統領(独)が死んだ。「過去に目を閉ざす者は、現在にも盲目である」という史観を生きた人であった。 (文芸評論家) |
誌上互選より 高点句(一人5句投票) | ||||||||||||||||||||||||
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