目次05年12月号 ・表紙裏 再掲・隆論自論 ・巻頭言 「縦書きの数字」 久美子 ・すずか路 久美子・柳歩整理 ・小休止 柳歩・のりこ ・川柳つれづれ 柳歩 ・人と句「さくらもよう」 を読んで たかこ ・例会 ・例会風景 たかこ ・没句転生 柳歩 ・インターネット句会 ・アラレの小部屋 久美子 ・前号「すずか路」散歩 竹内ゆみこ さん ・誌上互選 ・ポストイン ・お便り拝受・あしあと ・大会案内など ・編集後記
「縦書きの数字」
少し古い話になるが、九月一日の中日新聞に、次のような社告が載った。 きょうから洋数字表記にしますデータなど読みやすく 本紙は多くの紙面で数字の表記に漢数字を使ってきましたが、本日から、洋数字の使用範囲を拡大します。洋数字にするのは数量や順序などで、例えば「九月一日」は「9月1日」に、「八百七十六円」は「876円」に変わり、データが読みやすくなります。「十人十色」「二刀流」など、日本語として定着している熟語や成句、慣用句などは引き続き漢数字で表記します。 すでに多くの新聞では洋数字(私はふだん「算用数字」と言っているが、この文章では「洋数字」に統一する)表記が一般的になっていたようで、中日新聞も遅まきながらこの流れに乗ったのだろう。 ところで私自身は、教員として国語の教科書の表記になじんできたこともあって、「縦書きは漢数字使用」派である。理数系、経済系の文章や新聞、あるいは事務的な文章の洋数字使用はさほど抵抗はないし、自分自身も日常生活ではわかりやすさを優先し、あえて洋数字を使うこともあるが、文芸作品、ことに短詩型文学の洋数字使用には、視覚的に違和感を覚える。困るのはネット句会の投句など、横書きで句を書かねばならない場合である。使う言葉にもよるが、横書きだと洋数字の方がむしろなじむことも多いので、思わすそのように書きそうになり、いやいや柳誌に載るときは縦書きだからと、漢数字に直したりする。 そんなことを考えていたら、瓦版の会十月句会に、「六か月」というおもしろい題があった(『川柳瓦版』十一月号)。入選句(軸吟含む)四十一句のうち、題を読み込んだのは二十句(それ以外の句のほとんどは「半年」を使用)。そのうち七句は「6か月」と表記している。題が漢数字の「六か月」なのに、あえて洋数字の「6か月」としたところ、何か意図があるのか、それとも単にそう書いてしまっただけなのか、作者に聞いてみたい気がする。 久美子
いい朝だカラダのどこも痛くない
整理・柳歩